危機段階ごとの対策例(簡易版)
~自ら判断し、行動するための指針~

J-CIRCONプロジェクトの目的は、皆様に行動を強制することではありません。
危機が迫っていることにいち早く「気づき」、皆様自身が置かれた状況(家族構成、居住地、資産状況など)に合わせて、最適な「決断」をしていただくことです。
今回は、各フェーズにおける「生存戦略(ゴール)」と、判断の助けとなるWebサイト内のコンテンツやツール(ダウンロード資料)についてご紹介します。

■ READY(注意/常備)

【目的・戦略】 「日常の延長」で備え、予兆を掴む

平時であるこの段階は、コストや手間をかけずに「当たり前の備え」を維持する期間です。
災害対策と兼用の備蓄を行ったり、ハザードマップを確認したりと、冷静に準備ができる唯一の時間帯と言えます。

【判断・行動の視点】
  • モノの管理: ローリングストック(循環備蓄)の仕組みができているか。
  • 情報の整理: いざという時の連絡手段や集合場所が家族間で共有されているか。
  • 届出関係: パスポートの取得や行政手続きなど、平時にしかできないことを済ませているか。
【活用できるツール例】
Webページ: 備蓄と持ち出し品、緊急時行動計画、子供と学校、ペット、要配慮者
ダウンロード: 「備えの12ステップ」「家族連絡計画シート」「備蓄・保管場所・メンテナンスシート」など

■ SET(強化/警戒)

【目的・戦略】 「社会インフラ停止」への先手

予兆が明確になり、社会的な緊張が高まるフェーズです。
物流や金融システムが不安定になる可能性を考慮し、個人の生活基盤をより強固にするための「決断」が求められます。

【判断・行動の視点】
  • 資産の保全: 電子決済が使えなくなるリスクやATMの停止を想定し、手元資金(現金)の確保を検討する段階です。
    <ここで注意です>
    多くの人が不安に駆られ、一斉に預金を引き出そうとすると、銀行は資金枯渇を防ぐために支払いを制限・停止せざるを得なくなります(いわゆる「取り付け騒ぎ」)。
    そのため、政府や自治体が公式に「今のうちに現金を引き出してください」とアナウンスすることは、このパニックを誘発するため「絶対にない」と考えてください。
    「公式発表があってから動こう」と考えていると、すでにATMが停止している可能性があります。行政が言えないことだからこそ、個人の判断が重要になります。
  • 物資の拡充: 災害用(短期)から籠城用(長期)へのシフトを検討します。特に燃料や常備薬など、入手困難になりやすいものの在庫状況が重要になります。
  • 移動の決断: 自宅に留まるか(籠城)、安全な場所へ移動するか(疎開)。渋滞や規制が始まる前に、家族の方針を決定する必要があります。
【活用できるツール例】
Webページ: 情報の入手とセキュリティ、施設・資産・IT(企業向け)
ダウンロード: 「資産・書類管理シート」「持ち出し品チェックリスト」「簡易BCP策定フォーマット(企業用)」など

■ ACT(非常/有事)

【目的・戦略】 「物理的破壊」からの生存

実際に有事が発生した段階です。準備の時間は終わり、その場の状況に応じた「生存行動」が最優先となります。

【判断・行動の視点】
  • 安全確保: 警報や通知に従い、堅牢な建物や地下への退避行動が求められます。
  • 情報の選別: デマや扇動に惑わされず、信頼できる情報源のみにアクセスし、精神的な安定を保つことが生存率に関わります。
  • 弱者の保護: 子供、高齢者、ペットなど、自分一人では逃げられない家族を守るための手順を確認しておきます。
【活用できるツール例】
Webページ: 避難とシェルター、要配慮者・高齢者、ペットの防災
ダウンロード: 「避難経路・施設記入シート」「公式情報ソース・ホワイトリスト」「キッズ・エマージェンシーカード」「ペット・プロフィールカード」など

■ RECOVER(復旧/回復)

【目的・戦略】 国内統治継続下での生活基盤の再構築

危機が去った後、変化した社会環境の中で生活や事業を立て直すフェーズです。
インフレや行政サービスの遅延など、平時とは異なる課題への適応が必要となります。

【判断・行動の視点】
  • 生活再建: 資産価値の変動(インフレ)への対応や、コミュニティとの連携(共助)が重要になります。
  • 事業継続: 企業においては、従業員のケアと事業資産の復旧、サプライチェーンの再構築が求められます。
【活用できるツール例】
Webページ: BCP策定、従業員・人命安全
ダウンロード: 「安否確認・緊急連絡網ひな形」「緊急支援依頼カード」など

【補足】なぜJ-CIRCONが必要なのか? ~公助のジレンマ~

政府(公助)の最優先事項は「社会秩序の維持」です。
パニックによる交通麻痺や金融崩壊を防ぐため、たとえ危険が迫っていても、国民全員が一斉に動くような情報は、ギリギリまで出せないという「構造的なジレンマ」を抱えています。
一方、私たち個人(自助)の最優先事項は「自分と家族の生存」です。
この「公の目的」と「個の目的」のズレを埋めるために、独自の基準で判断するJ-CIRCONのような指針が必要なのです。

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